« 松前町の紹介 | メイン | リンク »

2006年06月16日

障害者や高齢者への介助の仕方


『 障害者や高齢者への介助の仕方 』


資料提供:障害者生活支援センターぱすてる



- 心 得 -
介助するときは、まずその人の障害を十分把握し、安全を第一に心がけましょう。
また障害者だからといってすべてが介助が必要な分けではありません。
その人のニーズに応じて介助できるようしっかりコミュニケーションをはかり、
わからないことは遠慮なく障害者本人に尋ねましょう。


[ 視覚障害者の誘導方法 ]
Ⅰ 街角で出会ったら
街角で、困った様子の視覚障害者に出会った時は、まず「何かお困りですか?」と声をかけて
援助しようとしていることを伝えてください。
(1) 道順などを説明する場合
① わかりやすい表現でゆっくり話します。
② 方向を説明する時は「あっち」、「こっち」などの表現を避け、あいての身体の向きを中心にした
前後左右などの方向で、はっきり伝えて下さい。
また、眼の見える人に教えるような指差しも、全盲の人の場合には、理解できません。
③ 例えば、「次の路地から数えて3本目の路地を右に曲がって下さい。右に曲がったら歩道に沿
って進み、2本目の路地の右角に郵便局があります。」という具合に具体的に説明して下さい。
(2) 誘導していく場合
① まず、相手の意思を良く確認してから誘導して下さい。
② どこまで誘導すれば良いか、良く聞いて下さい。
③ お互い無理をせず、分かりやすい場所までとします。
④ 誘導中は安全にも気を配りながら、周囲の情景や情報を伝えてあげて下さい。
そうすることで、親近感が生まれ、お互いにリラックス出来ます。
⑤ 誘導を終える時には、その後1人でも行けるように、周囲の状況を説明してから離れて下さい。
また、同じ方向へ行く他の人に、誘導を依頼する方法もあります。
(3) 次のような場面では
次のような場面では、危険を伴ったり、周囲の状況を判断しにくいことがありますので、一声かけて
援助して下さい。
① 飛び出た障害物など、危険な場所への接近
② 駅のプラットホーム
③ 交差点の横断
④ バスや電車等の利用
⑤ 階段の利用
⑥ エスカレーター・エレベーターの利用
⑦ 人ごみで混雑している場合
⑧ 工事現場など騒音の激しい場所


Ⅱ 手引き(介護歩行)で誘導するには
視覚障害者を手引きで誘導する場合、最も注意しなければならないことは安全確保です。
ここでは安全に誘導するための手引き技術について述べてみます。
(以下、手引きする人を「ヘルパー」と呼びます。)
(1) 手引きの基本形
① ヘルパーは、視覚障害者より半歩前に立ち、肘の付け付近を軽く握らせてあげて下さい。
② 手引きしている腕は自然に下げて下さい。その際、出来るだけ余分な力を抜くようにして下さい。
緊張したり、肘を突っ張ったり、肘が身体から離れたりすると、ヘルパーの動きを視覚障害者に伝え
にくくなります。
③ 手引き者が、重たく感じたり肘を強く握る時は視覚障害者が不安を感じている時です。
歩く早さをやや遅めにし、会話等で不安・緊張を和らげて下さい。
④ 歩行中は二人分の幅をとっているので、視覚障害者側の障害物に注意して下さい。
⑤ 物を避ける時で、基本の形で二人が通れない場合は、次の項の狭い所を通る要領で通って下さい。
⑥ ヘルパーと視覚障害者」の背丈が違う場合は、肘の上、下または肩をつかませるようにして下さい。
要は無理のない姿勢をとらせて下さい。
⑦ 後ろから押したり、抱きかかえるような誘導が定まらず、不安を与えますので絶対に避けて下さい。
(2) 狭い所を通る時
① 一人しか通過出来ないような狭い所へきた時には、狭くなることを伝えてください。
② 手引きしている腕を後ろに回し、ヘルパーが先に立ち、前後に並んで通ります。
ヘルパーは身体が常に進行方向に向くよう心がけて下さい。
③ 視覚障害者には、肘を持っている腕を伸ばしてもらい、ヘルパーとの感覚をとるようにしてもらい
ます。それにより、かかとを踏まずに進むことが出来ます。
④ 歩く速さは、ゆっくりとした歩調にして下さい。
⑤ 通り過ぎたら、もとの基本の形に戻って下さい。
(3) 階段や段差
① 階段や段差に対してまっすぐ近づいて下さい。
② 段の手前で立ち止まり、上がりか下りかを教えて下さい。
③ つま先か白杖で最初の段を確かめてもらって下さい。
④ 手すりを使用するかしないかは、本人の判断に任せ、使用する場合は手すりに触れさせて下さい。
⑤ ヘルパーが先に上がり(下り)はじめ、視覚障害者が一段後に続きます。
⑥ 段の終わりで、視覚障害者が上がり(下り)終わるのを一旦待ってから先に進みます。
⑦ 特に下りに恐怖感を持つ視覚障害者が多いため、安全に配慮し、不安が生じない手引きに
心がけて下さい。
(4) 車の乗り降り
① ヘルパーはドアを開け、視覚障害者の右手を屋根の部分に左手ドアの上部に触れさせて下さい。
そうすれば、進行方向や高さが分かり、頭をぶつけたりする心配がありません。
② 次に屋根に手を触れながら、腰の部分から乗り込み、白杖はドア側に寄せておくよう伝えて下さい。
③ 車の乗降にに慣れている視覚障害者に対しては、手をドアの把手に触れさせるだけで結構です。



(5) バスの利用
① 歩道から車道へ一旦降りて、バスへ乗降する場合は「車道に降り、バスに乗ります」と言うように
声をかけて下さい。(降りる場合も同様です)
② バスの乗降口にまっすぐ近づき、手すり、ステップの高さ、及び整理券が必要な場合はその場所
を教えて下さい。
③ 発車したら、発車の勢いで倒れないように、つり革か手すりをつかむようにして下さい。
④ 運賃の支払いは、事前に相談して決めておいて下さい。
⑤ ヘルパーが先に乗降して下さい。
(6) 電車利用
① ヘルパーが先に乗降しますが、ホームと電車の隙間に足を踏み外さないように、特に注意して
下さい。
② ホームの縁にまっすぐ近づき、ホームと電車の隙間及び電車のステップの高さを白杖で確認させ
て下さい。
③ 視覚障害者の手を戸袋又は手すりに触れさせ、足元を確認後、乗車して下さい。
(降りる場合も同じ要領です。)
④ 発車したら、発車の勢いで倒れないように、つり革か手すりをつかむようにして下さい。
(7) ドアの通り抜け
① ヘルパーがドアの開閉を両方しようとすると、無理が生じますので、視覚障害者が閉めるように
するとスムーズに行きます。
② ノブ側の壁、又はドアにぶつけないためにも、ヘルパーがノブ側に、視覚障害者が蝶つがい側
に位置して下さい。
③ ドアが開く方向(押しドア、又は引きドアと)を教えて下さい。
④ ヘルパーはドアを開き、視覚障害者の空いている手にノブを持たせて下さい。
⑤ 視覚障害者がドアを閉め終わるまでヘルパーは前進しないようにして下さい。

Ⅱ デパート等での買い物の援助は
買い物の援助は見立てた商品の購入後の返品や金銭のトラブルなど、信用を損なうことにもなり
かねないので、慎重な援助を心がけて下さい。
(1) 商品を選ぶ時
① ヘルパーがドアの開閉を両方しようとすると、無理が生じますので、視覚障害者が閉めるように
するとスムーズに行きます。
② ノブ側の壁、又はドアにぶつけないためにも、ヘルパーがノブ側に、視覚障害者が蝶つがい側
に位置して下さい。
③ ドアが開く方向(押しドア、又は引きドアと)を教えて下さい。
④ ヘルパーはドアを開き、視覚障害者の空いている手にノブを持たせて下さい。
⑤ 視覚障害者がドアを閉め終わるまでヘルパーは前進しないようにして下さい。



投稿者 admin : 2006年06月16日 16:21